養鶏業(ブロイラー)経営!経費、所得、年収を具体的に紹介

養鶏(ブロイラー)とは

・養鶏(ブロイラー)に興味はあるけど、収入が知りたい!

・個人経営ではどのくらいの年収が見込めるの?

・休みってどのくらいあるの?

本ブログでは、養鶏業経営における経費や所得、年収に関する具体的な情報を詳しく解説します。飼料費や設備など経費の詳細から、養鶏業主としての年収の見積もりまで、徹底的にお伝えします。

どのくらい働いてどのくらい稼げるのか。私の農場を参考にして頂く事で、規模の違いによる差もおおよその検討がつくと思います。また、私は養鶏業を会社員と個人事業主の両方経験していますので、これから養鶏業へ挑戦される方達の参考になればうれしいです。

結論から言いますと、3万6千羽くらい飼育できる鶏舎なら年間4サイクルで手取り480万くらいは稼げます。(具体的な内訳は後述していますのでご確認下さい)

これから養鶏を始めたいと考えている方にはこの辺を基準にしてみるのも良いかもしれません。

一日の業務内容については下の記事で具体的に紹介していますので興味のある方はご覧ください。

養鶏(ブロイラー)一日の業務内容紹介(平常時) | 太陽の本棚 (chunky-nestled.com)

養鶏(ブロイラー)の農業所得

ざっと見るとインターネットのサイト情報では平均所得が1500万超えというデータが目立ちます。

全農業経営体(個人経営体と法人経営体)で1経営体当たりの農業所得が最も高かったのはブロイラー養鶏の1959.2万円、次いで養豚の1087.1万円、酪農の1004.8万円の順。最も低かったのは採卵養鶏の1383.2万円の赤字で、13営農類型の中で唯一、赤字となった。

令和元年の農業所得 採卵養鶏は赤字、ブロイラー養鶏は黒字 | 鶏鳴新聞 鶏卵・鶏肉・養鶏・畜産総合情報 (keimei.ne.jp)

少し違う資料でも1300万。

農林水産省の資料でも農業所得が625万円。

??? 正直、みんなそんなに稼いでいるの?!と感じました。

平均って・・・。変な誤解を招きかねないじゃん。。。

それなら小規模農場のリアルを自分が分かりやすくお届けしようということで、

実際のところは

農場の規模(羽数)による!が答えです。

もちろん、個人経営者でも手取り額で1000万超えの所はありますが、周囲の環境に恵まれた一部の経営者だという事は言うまでもありません。

データはあくまで全体の平均です。大企業や一部の個人大規模農場が平均を跳ね上げているのは容易に想像がつくと思います。

私の農場規模は全国的には平均以下という事です。

ちなみに、個人事業主での年収(収入)、所得の捉え方が間違いやすいので紹介しておきます。

収入と所得の違いについて

【年収(収入)】年間で得たお金を全て合算した金額です。売り上げている場合は未収金分も含みます。

【所得】   収入から必要経費を引いたものを所得といいます。

会社員で言うところの総支給額的なものは  所得 (収入-必要経費) になり、

手取り額(純利益)は  所得 - 各種税金  になります。

また、最終的な利益のことを「当期純利益(とうきじゅんりえき)」別名「税引後当期純利益」または「純利益」と呼びます。

「当期純利益」は「所得」から法人税・事業税・住民税等を差し引いた金額となり、最終的な数字をいわゆる手取り額と呼んでいます。

※この辺の説明は専門ではありませんので、参考程度にしてください!

ここで注目して欲しいのは、所得額とは手取り額のではないというところです。

そして、所得額から引かれる各種税金があり、私の所得でおおむね40%あります。

各種内訳

ではここからは私の農場で具体的に何にいくらかかっているのか?を紹介していきます。

ちなみに、私の農場規模は近隣の同業者30軒程のうち中くらいです。

※下記は令和5年のとあるサイクル(回転)です。 総羽数 約36000羽

経費

ヒナ代    ¥3,157,560

エサ代    ¥9,234,565

水道光熱費   ガス ¥467,042  電気 ¥188,025  水道 ¥38,000

捕鶏費     ¥339,972

鶏舎賃貸料   ¥630,000

消毒液   ①¥23,980 ②¥31,680 ③¥12,650

鶏用ワクチン  ①¥17,575 ②¥66,415

人件費  ¥120,000

燃料費  ¥92,000

飼料安定基金 ¥90,000

消耗品費+修繕費 ¥500,000

計 ¥15,009,464

売り上げ(収益)

総出荷重量 ー 買い取り不可重量 = ¥17,510,834

利益(所得)

売り上げ(収益) ー 経費(費用) = ¥2,501,370

純利益

利益 ー 税金(33%+10%) ¥2501370 - ¥1075589 = ¥1,425,781

休日

会社員

まず、会社員として養鶏業に従事する場合と個人事業主として従事する場合では全然違います。

会社員として従事する場合ではその企業にもよるでしょうが、私の勤めていた(研修先)所では

週休二日(土日休み)でした。祝日は基本的に出勤です。

場長と私の二人で管理していたので、場長が毎月作業スケジュールを作り従事していました。

私は研修生という立場でしたので、場長より月4日ほど休日が多かったです。

業務内容もある程度分担されており、未経験の私でも1ヵ月程で担当業務は慣れる事ができました。

個人事業主

どんな職業でも共通していることではあると思いますが、個人事業主として養鶏業を経営すると

基本的に休日はありません。休みの日はありませんが、仕事を休む事はできます。

ただし、休んでいる間にトラブルが起きている可能性は十分あります。

また、日々の必要な作業にも遅れが出ます。そういった事を考えると、出荷が終わるまでは休めないと言う方が正確かもしれません。

ではなぜ最初に基本的に休日は無いと言ったのか?

それは、出荷が終わると次の雛(ヒナ)を迎える為の準備作業に移るからです。

この準備作業の期間を空舎期間と呼んでいますが、年4サイクルの場合は45~6日間ほどあり予定された日付(雛の搬入日)までに各鶏舎の入雛準備を済ます必要があります。

養鶏(ブロイラー)出荷後の作業内容や所要時間を具体的に紹介 | 太陽の本棚 (chunky-nestled.com)

結局のところ、早く終わらせれば休日を作ることができるけど終わらなければ睡眠時間を削っての作業になるわけです。

最後に

上記はとてもシンプルに書いてあります。

各種控除などもありますが、実際にはここから国民健康保険各種車両の維持費

鳥インフルエンザの保険費通信費、事業税、年金などもかかり、個人差も大きく出ます。

収入も出来高なのでいい時もあれば悪い時もあります。

また、鶏の買い取り価格も5~6年に一度くらいの間隔で下方修正されます。

これは雛の品種改良が進んでいくなかでバランスを取る為と言われています。

養鶏(ブロイラー)とは?農場経営者が説明する基礎知識 | 太陽の本棚 (chunky-nestled.com)

私が調べた限りでは記述はありませんでしたが、おそらく年間所得1800万を

超えているようなところは飼育羽数が数十万羽で、大きな企業のシステム鶏舎が主だと思います。

とはいえ、私の農場の2~3倍程の規模を個人でやっている農場も多数ありますが・・・。

これ以上大きな規模の農場は夫婦二人だけでは本当に無休になってしまいます。(笑)

肌感としては、直近5年間の平均で年間480万前後(手取り)くらいでしょうか。

自分が会社員時代の給料(手取り252万)と比べれば上がっていますが、

自営業なので基本休日はありませんし、リスクも自分持ちです。

キロ単位での買い取りなので、大きな鶏に育てば収入も増えますが小さい鶏だと減ります。

良い時と悪い時で1サイクル60万くらい収入が変動します。

一番良かった年で、手取り650万、悪かった年でも360万くらいです。

それを踏まえると・・・(笑)

ブロイラーの経営に興味のある方は総羽数3万6000羽~この辺を基準に農場を探してみるのはいかかでしょうか?!

1~2年くらいの研修は必要だと思いますが、未経験でも始めやすい職業だと思います。

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