ふわふわの可愛らしさに心がほっこりする、小さな生きものを自宅で育てる素敵な経験をシェアします。私がブロイラー経営をするなかでヒヨコを育てる際に学んだことや気をつけたポイントなどをもとに、自宅でのヒヨコの育て方を包括的にお伝えしていきます。
ヒヨコとの日々の成長や飼育の楽しみを共有しながら、一緒にほっこりとした時間を過ごしましょう!
ヒヨコ(品種)の違いについて

ブロイラー用の雛
まず、私たちが飼育しているブロイラー種は、肉用に特化した鶏の品種であり、食肉生産が主な目的です。一般的なブロイラーとして、チャンキー(チャンキー・ブロイラー)とコッブ(コッブ・ブロイラー)という2つの主要な品種があります。これらの品種には以下のような違いがあります。
- チャンキー(チャンキー・ブロイラー):
- 成長の速さ: チャンキーは非常に早く成長し、短期間で肉がつきます。このため、肉の生産に適しています。
- 体重: 成熟した時の体重は比較的軽く、一般的に2.0キログラムから3.0キログラム程度です。(飼育日数により変動)
- 肉質: 肉質は柔らかく、ジューシーで味が良いとされています。
- コッブ(コッブ・ブロイラー):
- 成長の速さ: コッブも非常に早い成長を見せ、迅速に肉がつきます。この点で、チャンキーと類似しています。
- 体重: チャンキーよりも大きくなりやすく、一般的に2.5~3.0キログラム以上に成長しやすい傾向にあります。
- 肉質: コッブも柔らかく、肉の質が良いとされています。味も評価されています。
長年の品種改良から病気への耐性もある程度あり、採卵も出来る。庭先でちょっと飼育するには初心者向きと言えるのではないでしょうか。
ペット用の雛
『ペット用の』と言ってもいろいろあります。
地鶏で採用されているような品種から愛玩動物として販売されている品種など様々です。
自宅で飼育する目的によって大きく変わるところなので一概にいう事ができません。
・基本的には愛玩動物として販売されている品種の方が人に懐き易い一方で、病気への耐性が低く健康管理への知識、飼育環境の設備などコストが必要です。
・地鶏は意外と気性の荒い品種も多く、特にオス鶏は縄張りの主張などその傾向が強いようです。懐くというよりは慣れる程度だと思っていて良いです。
病気への耐性は比較的高く、餌代や環境設備など飼育へのコストも低くなります。
これから飼育を考えている品種を調べ、ご自分の目的に合った鶏を探してください。
ここでは一般的な白い鶏を想定してお話していきます。
飼育を始める前に把握しておきたいこと
家畜伝染病予防法という法律があります。
家畜の伝染病の発生や蔓延を抑える為にあります。
原則、99羽以下のニワトリを飼育する場合に自治体に届け出が必要です。
お住まいの自治体に確認してください。
鳴き声(騒音問題)によって禁止されているところもあるようです。事前に自治体へ確認することをお勧めします。
鶏は生後8週齢以降から鳴き出すそうです。ときどきメス鶏は鳴かないと聞きますが、鳴きます。鳴き方や頻度、声量が違うだけですのでご留意ください。
準備事項(飼育環境)
まず必要なものは 小屋(ケージ)・給餌機・給水機・止まり木・床材・温度計です。
小屋の大きさは羽数にもよりますが、2~3羽なら縦横高さがそれぞれ2m程あれば十分だと思います。
小屋の外周には少し穴を掘って軽量ブロック等を壁に沿って埋めておくことである程度の獣対策になります。キツネやイタチ、タヌキなど穴を掘って小屋の中に侵入してきます。
また、鳥獣除けネットは嚙み千切ってしまうので金網にしましょう。金網も二重にしておくことをお勧めします。網目をずらすことで蛇の侵入抑止にもなります。2~3㎝の隙間があれば侵入してしまうので扉や屋根の隙間には十分気を付けてください。
野鳥やネズミから伝染病をもらってしまう事も考えられます。最近では鶏インフルエンザの問題もありますのでこれらの事にも留意する必要があります。石灰を撒くなど、定期的な管理を行ってください。
余談ですが、鶏糞の匂い対策として土壌改良などで使われているバクテリアが意外と消臭できます。
飼育時の温度管理

はじめに
今回は『自宅で飼育する』ということを前提としておりますので規模としては1羽~5羽程度を想定してお話していきます。また、一般的に生後〇週齢という言い方をします。1週齢なら生後7日という感じです。おおよそヒヨコと呼べるのは3週齢~4週齢(21~28日)くらいまでではないでしょうか。
かなり細かく書いていますが、ここまで神経質に管理しなくても育ちますw
また、ここでの内容はあくまでブローラー種の場合です。参考程度にしてください。
※爬虫類用の電球や床用ヒーターを利用する場合はゲージが溶けたり燃える危険性がありますので注意して下さい。
1週齢~4週齢
1~4週齢はその後の健康状態への影響が特に大きいので温度管理に気を付けて飼育します。
1週齢(7日齢)までは暖房器具を使って30℃前後になるように。8日から2週齢(14日齢)は27℃前後をキープ。
ここまでくれば一安心です。
15日から3週齢(21日齢)までは25℃前後に。22日~4週齢(28日齢)では23℃前後になるように管理・調整をしてあげましょう。
3日齢以降に3日で1℃下げていくと分かりやすいですね。
小さなケージでの室内飼育は2週齢くらいまでかと思います。3週齢を過ぎてくると換羽が始まり黄色い毛から白い毛に生え変わっていき、自分である程度の体温調節ができるようになります。
ヒヨコと呼べるのはこの辺までだと思います。
4週齢(28日)以降はある程度の広さのあるケージで飼ってあげる頃合いです。自分で体温を調整できるようになり、夏や冬でなければ昼夜の温度変化にそれほど心配する必要もなくなってきます。
その後

5週齢(35日齢)を過ぎたら暑さ対策に気を付けて下さい。特に35℃以上の猛暑日のような日は寒冷紗などのものを使って日陰を作ったり、扇風機で風をあててあげるなどが必要になってきます。
給水機の水も温まってしまいますので、新しく冷たい水に交換してあげましょう。
夏場、体内に取り込んでしまった熱を呼気や尿、飲水などで発散している為です。
寒さ対策としては、10℃を目安にしてみてください。それ以上寒くなるのであれば藁やもみ殻などの床材を多めに敷いてあげましょう。また、冷気が直接当たらないようにゲージに工夫をしても良いです。
保温には農業用のビニールが価格やサイズ的にも勝手が良いのですが、ゲージ内が酸欠にならないように注意が必要です。
下のリンク先では過去に知人が自宅で飼育した際の体験談を書いています。参考にしてください。