養鶏(ブロイラー)出荷後の作業内容や所要時間を具体的に紹介

ブロイラー業務内容

ブロイラー経営のなかで、鶏の飼育期間は45日前後の所が比較的多いです。

45日間の飼育を経て出荷が終わると次回の入雛(ヒナのお迎え)準備に移ります。

いわゆる繁忙期です。この出荷後の期間を空舎期間と呼んだりします。

空舎期間では鶏舎の掃除を行い、次の雛の受け入れ準備を済ませます。

年間で4回出荷のある農場では1サイクルが91日程(365日÷4回)になりますので、

飼育期間の45日を引いて平均46日が準備に使える日数になります。

要するに最初に出荷が終わった鶏舎を基準に46日後の入雛になります。

複数の鶏舎を所有している農場は出荷待ち鶏舎と空舎中が混在し、鶏舎ごとに各46日の準備期間があるわけではありません。

作業スケジュール的には意外とギリギリ間に合うという感じです・・・。

実際のところ出荷サイクルから空舎期間、空舎期間中の段取りなど作業員数や農場の規模、設備、契約内容など様々な違いがそれぞれの農場であります。

下記で紹介してる作業は私の近隣農場では類似点が多いですが、他にも色々な方法があります。

私の農場の場合は基本的には妻と2人でやっています。

という事をご了承下さい。<(_ _)>

では、1鶏舎当たりどんな作業にどのくらい時間がかかるのか具体的に紹介していきます!

除糞作業  所要日数  3日

まずは鶏舎の中の鶏糞を処分します。そのための作業が以下になります。

鶏糞まとめ作業   所要時間 8時間

鶏糞を出すために一度舎内の糞をホイールローダーでまとめます。

その後、ほうき等を使って細かい鶏糞を集めていきます。

鶏糞出し(搬出)   所要時間 3時間

まとめ終わったら後日、専門の業者に来ていただき搬出作業となります。

鶏糞は適切な処置を加えた後に混合肥料として市場に出回るそうです。

鶏舎内の洗浄   所要日数  3日

鶏糞出しが終わったら舎内の洗浄作業に移ります。

200vの動力ポンプを使って舎内の汚れを落とします。

天井・壁・床①・換気扇・入気口     所要時間 6時間

まず、水で舎内の汚れを全体的にある程度落とします。

そうすることで汚れの飛び散りを防ぐ目的もありますが、水分を含んだ鶏糞はどぶ川の様な匂いになり長時間の作業では正直なところキツイからです。

予備洗浄といってこの後に行う洗剤での洗浄や消毒の効果を十分に発揮させる為にも必要になります。

床②・給餌機・給水機・その他備品 → 乾燥  所要時間 6時間+1日

おおむね舎内を洗い終わったら、細かい機材・備品を洗剤を使用して洗います。

最後に床の仕上げ洗いをしたら完了です。1日程かけて舎内を乾燥させます。

消毒①②  所要日数  2日

①ゾール剤    所要時間  2時間 → 乾燥

②塩素系     所要時間  2時間 → 乾燥

鶏舎内の洗浄で使用した動噴で消毒液の散布を行います。

散布自体はそれほど大変な作業ではありませんが、消毒液の取り扱いには毎度気を遣うので意外と疲れます。原液が目に入り失明したという話も聞きます。

ゴーグルやマスクなどはしっかり着用して作業しています。

敷料の搬入・巣作り  所要日数  2日

敷料の搬入   所要時間  3時間

舎内の床に敷く敷料(オガ)の搬入作業です。

業者さんがトラックで運んで来てくれたものを舎内に入れます。

舎内への搬入には重機も使用しますが、人力の部分もあり、意外と重労働です。

夏の炎天下ではこの作業だけでヘトヘトになってしまいます。

搬入が終わったら雛を飼育するための巣を作ります。

巣作り   所要日数  1.5日

敷料を撒くのに2時間程かかります。

その後、トタン板で囲いを作り、暖房器具を設置して餌皿を数か所置いたら完了です。

餌の準備  所要時間  2時間

あらかじめ発注しておいた飼料を雛用のエサ皿に入れるための準備をします。

外にある飼料タンクから餌を紙袋に移します。

1袋25キロ程入れ、20袋を舎内に用意しておきます。

舎内に備え付けの給餌皿では雛にとっては食べにくいのでこのような作業が必要になってきます。

舎内暖房の開始  所要日数  1日

基本的には入雛日前日に暖房をいれます。

私の農場ではブルーダーというガスバーナーに傘の付いたような形状をした暖房器具を使用しています。

舎内の温度センサーを確認しながら32℃前後を目標に温めていきます。

入雛(にゅうすう)  所要時間  2時間

雛の搬入作業です。

ヒナは孵卵場から専用のトラックによって運ばれます。

トラックには換気扇が付いており、エアコンを利用して温度管理に注意しながら運ばれてきます。

1カゴあたり100羽程入ったカゴ(5~6キロ)を仕入れ羽数ぶん鶏舎の中に運びます。

大きな養鶏場ではフォークリフトなどの乗り物を使って運び込む場合がありますが、小さな農場では鶏舎の天井の高さや搬入口などが対応していない作りになっている事が多く、手作業で行うのも珍しくありません。

舎内に運び終わったら、親鶏の週齢、ヒナの健康状態の確認や体重測定、羽数の確認をし、準備しておいた巣の中へ放ちます。

その後、餌の摂食状況や水の飲み加減など雛の様子を確認します。舎内の温度確認や給水機の動作確認などもしっかりと確認します。

最後に

以上の作業を鶏舎の数だけ行い、空舎期間の約46日で完了させます。

特にトラブルがなければ良いのですが、年に数回は何かしらのトラブルが起こります。

なので、実際には少し日程に余裕をもってスケジュールしています。

また、家族での旅行などの外出もこの時期を逃すと行けないので踏ん張り所です(笑)

養鶏(ブロイラー)一日の業務内容紹介(平常時) | 太陽の本棚 (chunky-nestled.com)

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